昨日も書いたが最後の行程を残してこれで90%完成したので、最後のお披露目。
ただ「ドライカーボンにした」と言うのも頭が悪そうなので、比重や膨張について書いてみる。
とりあえず、鉄の比重が7.8、アルミが2.8、チタンが4.6、ドライカーボンが1.65。
線膨張係数で見ると鉄が12、アルミが24、チタン8.2、ドライカーボンが0.2とか。
せっかくカーボンプッシュロッドを作って、ただ「軽量」と言うのでは芸が無いので少し掘り下げる。
鉄のプッシュロッドを基準にするとそれぞれ、
アルミ
重量は1/3だが伸びる量は倍
チタン
重量は半分だが伸びる量は2/3
ドライカーボン
重量は1/5だが伸びる量は1/60
と大雑把だがこんな感じ。
プッシュロッドに使う事限定で言えば、
絶対的にドライカーボンに軍配が上がる。
問題はそんなところに使って「大丈夫?」と言う事で、こんな質問はウチに遊びに来た人みんなから出る言葉なので、
「そんなもんオレだってわかんねぇーよっ!!」
と言う返事をしといた。
その昔、日産OHVエンジンA12だって「TSサニー」の時は使ってたし、10000rpmも回してたし・・・。
と言う事で結論としては「やってみなけりゃわからん」のだ。
「カーボンプッシュロッドのネタ」は一応、今日で終り・・・のつもり。
「カーボンって、こんなにすばらしい」の数字は、
あくまで、「引張り」についての数字です。
線膨張係数のすさまじく優位な数字も、「引張り」ったら「引張り強度」。
「圧縮」についての強度は、単なる「エポキシ樹脂」です。
プッシュロッドに使うのであれば、ストレートなパイプ形状のほかに、
圧縮の力の向きのとき、引張りの力が発生する形状として、
「弓型」「樽型」が考えられます。
あるいは、「デスモ」のような、「弁ばねの無い構造」を考えるか。
あのね。ボクみたいなメーカーの頭でっかちのエンジニアが「バッカじゃ・・・」って言うことを試す、街の発明家こそが、成功の種を産出すのも事実なんです。
商品化の際は、ぜひ、一声。協力させてくださいマセ。
今の御時世、「インターネット」と言う文明の利器のおかげで、ある程度の事なら「ど素人」でも情報が手に入るのはとっても便利です。
ただ、沢山有る情報の中で「本物」を見つけるのは結構大変でして・・・。
今回の「ハイブリッドプッシュロッド」を製作するにあたって「ドライカーボン」を色々調べると95%は「良い事しか書いてない」のが事実。
問題は残りの5%の「ドライカーボンの問題点」を掘り下げる事が大切で、
当然の事ながら構造材を使うのに「適材適所」なのは当たり前の話なので「ホントに大丈夫?」と言う単純な疑問から、
調べまくった結果、大方の答えにたどりついたのが「やっぱりそーだったんだ」と言う答え。
ただのドライカーボン板をちょっと加工する時に思っていた「?」が、今回使う材料の件で問い合わせたメーカーさんから「即答」されて「あぁ・・・やっぱりね」と言う結論に。
ただ、その時に幾つかアドバイスを頂いたので、それも今回試しての後の結果はお楽しみと言う事で。
ところで「りんたろう親父」殿はオレが知ってる「りんたろう親父」殿か?
違ってたら失礼!!